キャンピングカーは「動く家」とも呼ばれるように、一般的な乗用車にはない架装設備を多数搭載しているので、故障の種類も多く、修理費用は乗用車の感覚では到底想像できないほど高額になることがあります。
本記事では、ベース車両(走行系)と架装部分(居住設備)に分けて、故障箇所ごとの修理代の目安を実例つきで解説します。
なぜキャンピングカーの修理費は高いのか


キャンピングカーの修理費が高くなりやすい理由は大きく3つあります。
- 専門業者が限られる — 架装部分(FFヒーター・サブバッテリー・給水システムなど)は一般の整備工場では対応できないことが多く、キャンピングカー専門店やビルダーへの依頼が必要になるます。
- ベース車両+架装の両方が絡む — たとえば板金修理でも、架装部分を一度取り外して復元する作業が発生し、工賃が2倍以上になるケースがある
- 陸送・持ち込みコストがかかる — ビルダーが遠方の場合、片道10万円前後の陸送費が修理代に上乗せされることもあります。「軽微な接触でも修理費が10〜20万円程度になるケースが多い」というのがキャンピングカー修理の相場感
ベース車両(走行系)の故障と修理代
キャンピングカーのベース車両はハイエース・カムロードなど一般的な商用車・トラックがほとんどです。
走行系の修理はディーラーや一般整備工場でも対応できるが、もともとの重量・サイズが大きいぶん部品代・工賃が割高になる傾向があるのは確かです。
エンジン系
| 故障・作業内容 | 修理費の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| エンジンオイル交換 | 2,000円〜 | 定期交換で大きな故障を防ぐ |
| エンジンオイル漏れ修理 | 数万円〜 | 原因箇所により大きく変動 |
エンジンオイルの管理は走行系トラブル予防の基本。キャンピングカーは総重量が重く、エンジンへの負担が乗用車より大きいため、オイル交換サイクルを短めに設定することが推奨されます。
ブレーキ系
| 故障・作業内容 | 修理費の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| ブレーキパッド交換 | 8,000円〜(工賃のみ)/2万〜5万円(部品+工賃) | 車種・前後によって異なる |
| ブレーキホースのオイル漏れ | 14,000円程度 | 塩害が原因のケースも |
| フロントディスクブレーキ保護板の交換 | 89,000円(両輪) | 劣化・落下が起きると高額修理 |
キャンピングカーは車重が大きいため、ブレーキへの負担も乗用車の比ではないくらい負担大。
特に降り坂でのブレーキ多用は消耗を早める。年1回以上の点検が安心です。
バッテリー系(メイン)
| 故障・作業内容 | 修理費の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| メインバッテリー交換 | 3万〜6万円 | 部品代+工賃込み(Abcキャンパー) |
メインバッテリーはエンジン始動に必要な車載バッテリーで、寿命は3〜5年が目安。突然エンジンがかからなくなる前に、定期的な電圧チェックを行いたいですね。
ミッション系
| 故障・作業内容 | 修理費の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| ATF(オートマオイル)交換 | 8,000〜30,000円 | 早期対応で大修理を防げる |
| ATミッションのオーバーホール | 20万円〜 | 変速ショック・滑りが出たら即対処 |
| ATミッションの乗せ換え | 30万円〜 | オーバーホールより高額になるケースも |
ミッショントラブルはキャンピングカーの中でも最高額クラスの修理になりやすい。
ATFを定期的に交換する(5万km目安)ことで予防できる。変速ショックや加速時の滑りを感じたら早急に診断を受けることが重要です。
板金・外装系
| 故障・作業内容 | 修理費の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 小さな板金修理(500円玉程度) | 16,000円〜 | 早めの対処で錆・腐食を防げる |
| フロントバンパー交換 | 8,000円〜 | 部品代が安く工賃も比較的低め |
| ドアパネル交換 | 16,000円〜 | 架装に影響なければ乗用車と同程度 |
| コーナーパネル交換&塗装 | 35,000〜55,000円 | ハイエースバンコンの実例 |
| 普通の接触事故修理 | 10〜20万円 | キャンピングカーは相場が高い |
| 大きな事故(架装含む全面修復) | 50〜100万円 | ビルダー費用+陸送費も発生 |
板金修理の最大のポイントは、架装部分が絡むかどうか。
ボディだけの修理なら乗用車と近い費用で収まる場合もあるが、キャビン部分のFRP外壁やウィンドウが絡むと一気に費用が膨らむ傾向にあります。
架装部分(居住設備)の故障と修理代
ここがキャンピングカー修理の最大の特徴であり、普通車との大きな違いです。
FFヒーター・サブバッテリー・エアコン・給水システム・雨漏りといった「居住空間特有の設備」は、専門知識がないと診断することが難しいのです。
FFヒーター
FFヒーターはキャンピングカーの暖房の要。冬のキャンプには欠かせない設備ですが定期的なメンテナンスを怠ると高頻度で故障する特徴があるので注意してください。
| 故障・作業内容 | 修理費の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| オーバーホール(ススつまり等) | 27,500〜70,000円 | 燃料ポンプ交換+脱着点検 |
| 本体全交換(最悪のケース) | 15〜20万円 | 期間1ヶ月かかることも |
| FFヒーター新規設置 | 8万円〜 |
故障の主な原因:
- ススつまり:走行中に使用すると燃焼が安定せず、煤が排気管・燃焼室に堆積する。定期的に最大温度で15〜30分運転して焼き切ることが予防策(YouTube解説)。
- サブバッテリー不足:FFヒーターはサブバッテリーで動くため、電圧低下でエラーが出て停止する。「FFヒーターが動かない」トラブルの最多原因です。
- 夏用軽油の凍結:北海道など寒冷地で冬場に燃料が粘性上昇。即効性のある解決策がなく、車体全体を暖め直す必要があります。
- 長期不使用:夏場に全く使わないと湿気・チリが排気管に蓄積する。使わないシーズンも月1〜2回は運転させることが推奨されます。
サブバッテリー
サブバッテリーは照明・冷蔵庫・FFヒーター・給水ポンプなど架装設備すべての電源なので、劣化すると連鎖的にあらゆる設備が使えなくなります。
| 種類・作業内容 | 修理費の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 鉛バッテリー交換 | 4万〜5万円 | 容量・個数による変動あり |
| リチウムイオンへの換装(機材のみ) | 13万円〜 | ネット購入の自力交換実例 |
| リチウムイオンへの換装(業者依頼) | 機材費+工賃で25万円〜 | 400Ahで約31万円の実例 |
| ソーラーパネル追加(600W) | 30万円〜(機材費) | 作業料別途 |
鉛バッテリーの寿命は3〜5年程度。充放電サイクルを繰り返すうちに容量が落ち、突然使えなくなることが多いです。
リチウムイオンへの換装は初期費用が高いが、寿命が長く軽量なため長期的にはコストパフォーマンスが高い傾向にある事は確かです。
エアコン(家庭用・車載)
| 故障・作業内容 | 修理費の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| エアコンガス補充 | 3,000円〜 | 効きが悪くなったら早めに対処 |
| エアコンの修理・交換 | 5万〜15万円 | コンプレッサー故障などは高額 |
| 家庭用エアコン後付け(新規) | 60万〜100万円 | 電装強化費用込み |
| 家庭用エアコン設置費(工賃のみ) | 10万円〜 |
エアコンが「故障した」と感じたとき、まず確認すべきはガス不足と電力(サブバッテリー)ですね。
特に車載環境では振動・温度変化の影響でガス抜けが起きやすい。放置するとコンプレッサーが損傷し、修理費が数倍に跳ね上がる。
給水ポンプ・水回り
| 故障・作業内容 | 修理費の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 給水ポンプ交換(DIY) | 5,000〜7,000円 | 部品代のみ。工具込みでも1万円以上 |
| 給水ポンプ交換(業者依頼) | 3万〜7万円 | 部品+工賃 |
| 水回り点検 | 8,000円〜 | キッチン・トイレ含む |
給水ポンプは構造がシンプルなため、DIY対応がしやすい修理箇所のひとつ。
しかし、配管の凍結・詰まりが絡む場合は専門業者への依頼が安全です。
実は、シーズン後の排水を徹底することが最大の予防策です。
雨漏り・外装FRP
雨漏りはキャンピングカー特有のトラブルであり、発見が遅れると内装・電装への二次被害で修理費が爆発的に増えてくるのです。
| 故障・作業内容 | 修理費の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| コーキング打ち直し(DIY) | 1,500円〜 | 材料費のみ |
| ベンチレーター交換(業者) | 約70,000円 | ファン移設+新設の実例 |
| コーキング全面打ち直し(業者) | 数万〜数十万円 | 規模による |
| FRP外装補修・塗装 | 28,000円〜 | |
| ゲルコート塗り直し | 13万円前後 | 実例 |
| FRP屋根の全面補修(DIY) | 36,700円〜 | 材料費のみ |
雨漏りの主な原因
- コーキング(シーリング材)の経年劣化
- FRP・アルミパネルのひび割れ
- 窓枠パッキンの劣化
- 屋根の紫外線ダメージ
- 走行振動によるネジゆるみ・パネル割れ
コーキングの寿命は一般的に5〜10年。キャンピングカーは振動・直射日光にさらされる環境が過酷なため、乗用車より劣化が早いので、年1回、キャビン全体のコーキングを目視チェックすることが、雨漏り予防の基本です。
費用一覧まとめ


- 1. 定期メンテナンスで大修理を防ぐ
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軽微な不具合を放置すると、二次被害で修理費が数倍〜数十倍に膨らむ。特に雨漏り・サブバッテリー・FFヒーターは早期発見・早期対処が鉄則。
- 2. 車両保険の設計を見直す
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キャンピングカーの修理費は架装部分も含めて高額になりやすいため、車両保険金額は「ベース車両の時価+架装費用」の合算で設定すること。免責金額は5〜10万円が現実的な目安だ
- 3. DIYできる箇所を把握する
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給水ポンプの交換・コーキングの打ち直し・FFヒーターの日常点検など、専門知識がなくてもできる作業は多い。業者に頼むと3万〜7万円かかる作業を、5,000〜10,000円の材料費で完結できることもある。ただし電装系・ガス系は安全面から必ず専門業者に依頼すること。
キャンピングカーの故障別修理代まとめ|相場から実例まで徹底解説 まとめ
キャンピングカーの修理費は、走行系の故障だけでなく架装設備のトラブルまで含めると、年間数万〜数十万円規模の出費が発生します。
特にFFヒーター・サブバッテリー・雨漏りはキャンピングカー特有の高額修理トップ3であり、乗用車との最大の違いはこの3カテゴリーです。
事前に相場を把握し、定期点検・保険の整備・DIYスキルの習得を組み合わせることで、修理費の総額を大幅に抑えることができます。
「修理代が思ったより高かった」という後悔をしないために、購入前・購入後どちらの段階でも本記事を参考にしてください。






